沖縄空手界統一と空手メッカづくりをリードした連合会
沖縄の空手界は1981年、国体参加と全空連加盟強制によって分裂、80年代を通して、その状況を固定化させていた。
沖縄県空手道連合会は、この状況を克服する統一組織として結成された「沖縄空手道懇話会」(1990年12月)を前身としている。
連合会は、従前の空手界を支配する修行鍛錬主義や競技イズムの枠を超え、『沖縄伝統空手の振興』のビジョンとして、“空手のメッカづくり”を組織目的に掲げ、結成以来、この四半世紀の歴史を積み重ねてきた。
道場を基盤とした琉球古来の空手の振興を最大の課題とし、以下に掲げる政策課題の提言と、その実現を目ざす活動が、他に類例を見ない組織的特質である。今日、メッカづくり政策課題は、空手の無形文化財指定、空手会館建設をはじめとして、その多くが実現されている。
1.名 称
沖縄県空手道連合会
日本国〒901-2213沖縄県宜野湾市志真志1-5-5(201)
℡.098-870-7887 FAX.098-874-2741
2.設 立
1990年12月8日 沖縄空手道懇話会として設立。
1993年4月27日 沖縄県空手道連合会に改称、改組。
3.理念・目的
≪理念≫琉球古来の空手の正しい継承発展と世界平和への貢献
沖縄伝統空手は、我々の祖先が生み育て、沖縄の風土・歴史の中で磨かれ鍛え上げられた沖縄固有の世界的な文化である。
それ故、我々は、その正しい保存・継承と更なる普及振興に努めることを究極の組織使命とする。
沖縄伝統空手は、肉体と精神の絶えざる鍛錬によって、より高い人格陶冶をはかる“人間修養の道”である。
それ故、生涯をこの“修養道”に打ち込み精励に努めることが大切である。
沖縄伝統空手は、世界に類を見ない“平和の武”である。
それ故、われわれは、“平和の希求”と“ぬちどぅ宝”を根源に置く“沖縄伝統空手の心”を以て世界の平和と人々の幸福に貢献することを使命とする。
(1991年第1回懇話会総会)
≪目的≫メッカづくりビジョン7大政策の提言と推進
この理念実現のため、7項目の計画を設定し実践する。
即ち“空手のメッカづくり”ビジョンであり、これによって21世紀の沖縄伝統空手像は確立される。
(1)伝統空手の世界的な普及、振興を図るため沖縄空手界の再統一を目指す。
(2)空手発祥の地にふさわしい伝統空手による世界大会を創出する。
(3)『空手の日』を制定し、世界空手界の祝日とする。
(4)空手の「沖縄県無形文化財指定」を実現する。
(5)沖縄伝統空手を世界に発信する拠点として空手道会館の建設をめざす。
(6)空手の日本国「人間国宝」指定を目指す。
(7)国際的な空手道大学の創設を促進し、空手の学術的研究と人材の育成を図る。
4.設立発起人
《発起人代表》田場 典正 沖縄県商工会議所連合会会長
《発 起 人》呉屋 秀信 沖縄県経営者協会会長
浜元 栄吉 沖縄県工業連合会会長
東江 康治 琉球大学学長、沖縄県振興開発審議会会長
親泊 一郎 (株)琉球新報社代表取締役社長
長嶺 将真 世界松林流空手道連盟会長
比嘉 佑直 沖縄空手・古武道連盟会長
八木 明徳 全沖縄空手道連盟顧問
宮平 勝哉 沖縄小林流空手道協会会長
仲里周五郎 沖縄空手道小林流小林舘協会会長
宮里 栄一 沖縄県空手道連盟会長
上地 完英 上地流空手道協会会長
友寄 隆宏 全沖縄空手道連盟会長
又吉 眞豊 (社)全沖縄古武道連盟会長
高嶺 朝睦 剛柔流国際空手古武道連盟会長
濱 川 謙 設立準備事務局長
5.現在の役員
※”役員一覧”をご参照ください
A.設立目的に掲げた政策課題7項目の達成
(1)沖縄空手界の再統一を果たす。
連合会は、1990年の設立以来、沖縄空手界の統一をリード、新統一組織「沖縄空手道振興会」の発(2008.2.14)へ結びつけた。
「振興会」構成4団体の中軸として沖縄統空手の振興を強力に推進している。
(2)沖縄伝統空手道世界大会の創出
1997年8月「沖縄空手道・古武道世界大会」の開催。
主催/沖縄県及び空手界を中心とする実行委員会。
1999年8月 第1回「沖縄伝統空手道古武道世界大会を開催。主催/沖縄県空手道連合会・那覇市及び実行委員会。
2003年8月「2003沖縄空手道古武道世界大会」の開催。主催/沖縄県・空手4団体など実行委員会。
2009年8月「2009沖縄伝統空手道古武道世界大会」の開催
(3)『空手の日』の制定
2005年3月 沖縄県議会に対して『空手の日を“10月25日”とするよう』陳情し、決議。1936年11月25日『空手』という統一表記が正式に決定された、歴史に由来する。
(4)空手の無形文化財指定を実現
連合会は、空手がスポーツとして扱われた時代に、文化であることを強調、県や議会に陳情を重ねて、無形文化財に指定させた。1997年8月 沖縄伝統空手が県指定無形文化財となる。
(5)『空手道会館』建設計画 平成27年夏着工(県知事公約)
(6)沖縄伝統空手全米ツアーセミナー≪主催・沖縄県空手道連合会≫2009年6月に実施USA5都市で開催、述べ3000名が受講。
(7)≪空手の聖地≫整備事業の一環として、沖縄伝統空手“聖地セミナー”を毎年、複数回実施し、連合会ブランドを確立している。
B.当面の課題
(1)「空手の人間国宝」 調査とキャンペーンの強化を図る。
(2)空手道大学の設立 計画策定のための研究を進め、キャンペーンを強化する。空手道大学は“空手のメッカ”として最も重要な位置を占める。構想研究会の組織化が今後の進展のカギとなる。
(3)ユネスコ世界文化遺産への登録
(4)沖縄伝統空手ブランドの確立
2015年6月